2011年2月5日土曜日

【シンガポール】山武、付加価値加え拡販狙う:省エネ支援システムの投入で

 建物?工場向け制御システム大手の山武(東京?千代田)は、シンガポールの現地法人を通じて省エネ支援システムの拡販に乗り出した。数年前から日本で展開しているエナジー?データ?サーバー(EDS)と呼ばれる、大型ビルでエネルギーの最適化が図れるIT(情報技術)システムを投入。建物のオートメーション事業に環境ソリューションという付加価値を加えることで、東南アジアにおける同事業の拡大につなげる考えだ。

 シンガポール現法のアズビルシンガポールの押田裕介社長は、NNAの取材に対し「西部の科学技術施設フュージョノポリスで3年前から試験導入していたが、事業化のめどが立ったため昨年半ばから営業を始めた。同年末からこれまでに大型ビル数件に納入してきた」と語った。東南アジアでの導入実績はシンガポールが初めてという。

 EDSは工場?ビルの計測装置をパソコン端末に接続し、照明、OA機器、空調などで消費する電力をリアルタイムで把握できるシステム。特に空調制御システムは大型ビルの電力消費で半分以上を占めるためコスト削減効果が見込める。同社はこれまでにもシンガポールで建物のエネルギー効率化を促すアドバイスを行ってきたが、EDSを活用することでビルの所有者など顧客が自ら各種データを確認できる環境を整えた。

 同国での販売価格は建物の規模によるが1,000万円からで、「年間数億円規模の電気代を1?3割ほど低減できるため導入による費用対効果は高い」(押田社長)。今後もセントラル空調システムを備えた大型のビル、工場、病院、ホテル、中長期滞在型住宅(サービスアパート)をターゲットに、これらの開発を手掛ける地場不動産業者からの受注を増やし、年間10?20カ所の納入を目指す。

 ■東南アジアに拡販

 シンガポールでの実績を周辺各国での販売拡大に生かすことも考えている。タイ、フィリピン、マレーシア、インドネシアなど東南アジア特有の気候を持つ国では、オフィスのエネルギー管理方法が似通っている。このためシンガポールで導入済の顧客データを解析しながらソフトウエアなどに改良を加え、域内市場に適した空調システムの構築に役立てる。

 押田社長は「東南アジアではまだ、日本ほど環境に対する法規制は整っていないが、二酸化炭素(CO2)排出量の削減に対する重要性は確実に高まっている」と話し、EDSに対する引き合いが増すとの見通しを示した。

 山武は、リーマン?ショック後の景気低迷、日本国内の顧客企業による設備投資の凍結?抑制の影響で、工場?ビル向けシステムの業績が低迷している。今月7日に発表した2010年3月期の連結決算は、売上高が前期比10.1%減の2,122億円、純利益は34.5%減の62億円と減収減益だった。

 ただ、CO2排出量を抑制する環境関連事業では新たな事業機会を創出するなど成長分野として育ちつつある。シンガポールを足掛かりとした域内におけるEDSの拡販もその一環で、海外事業の収益増大を下支えすることに期待を寄せている。

引用元:SALE-RMT ゲーム通貨とWebMoney販売 買取 SALE-RMTは安心をあなたに

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